いじめ防止基本方針

令和元年10月改定

1 いじめ防止等対策のための基本理念


(1)基本理念
 「いじめは,誰にも,どの学校にも起こり得る」「いじめは,人として決して許されない行為である」という認識に立ち,いじめ防止のため,学校の教育活動全体を通して,すべての児童に自分と他者がお互いに尊重し合う等の人権意識や態度等を育て,いじめの起こりにくい環境づくりに努める。
 また,学校や家庭,地域,その他の関係機関が一体となって,一過性でなく,継続的・組織的に,未然防止や早期発見,早期対応に努めるとともに,必要な対策に取り組む。
 いじめ問題にあたっては,学校全体で組織的な取組を進める必要がある。とりわけ,「いじめを生まない土壌づくり」に取り組む未然防止の活動は,教育活動の在り方と密接に関わっており,全ての教職員が日々実践することが求められる。

(2)いじめの定義(いじめ防止対策推進法第2条1項)
 「いじめ」とは,「児童等に対して,当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通して行われるものを含む)であって,当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」をいう。
 なお,いじめが発生した場所は学校の内外を問わない。

2 いじめ防止等に取り組む組織


 いじめ問題にあたっては,「いじめ根絶」という強い意志と共通認識をもち,学校全体で組織的な取組を行う。早期発見・早期対応はもちろんのこと,いじめを生まない土壌を形成するための「予防的」「開発的」な取組を,あらゆる教育活動において展開する。
 いじめ問題の組織的な取組を推進するために,いじめ問題に特化した機動的な「いじめ問題対策委員会」を設置する。この組織は,教職員全員で共通理解を図り,学校全体で総合的ないじめ対策を行う中核的かつ実効的な役割を担う。また,組織が有効に機能しているかについて,定期的な点検・評価を行い,学校の実情に応じた取組への見直しを行う。

◇ いじめ問題対策委員会
【 役 割 】
・いじめの未然防止への取組や具体的な計画を作成する。
・いじめの相談・通報の窓口となる。
・いじめに関する情報の収集・記録・共有を行う。
・いじめ防止のための指導や対応方針を決定する。
・いじめを受けた児童または保護者に対する支援を行う。
・いじめ防止の取組についてPDCAサイクルで検証を行う。
【構成員】
・校長,副校長,教頭,教務主任,生徒指導主事,保健主事,各学年主任,養護教諭を基本とする。状況に応じて学級担任や関係職員を追加する。

3 いじめ防止等の具体的な取組


(1)いじめの未然防止
 市全体で取り組む「魅力ある学校づくり」「笑顔プロジェクト」を教育活動全体を通して推進するとともに,「いじめが起こらない学校・学級づくり」等,いじめの未然防止に取り組む。そのため,「いじめは,どの学校にも起こり得る」という認識を全ての教職員がもつことが重要である。そして,その共通認識に立ち,学校の教育活動全体を通して,児童が安心・安全に学校生活ができるよう,好ましい人間関係を築き,豊かな心を育てる活動に取り組んでいく。また,児童一人一人の自己有用感や自己肯定感等を高められるよう,主体的かつ自主的な活動ができる環境づくりを進めていく。

(1)わかる授業づくりを進めるとともに,学習規律の確立を進める。
 教科部員会,学年会,研修,相互授業参観等を通して,「授業づくり」に係る意見交換等を活発にし,「わかる授業」や児童が主体的に参画できる授業実践に努める。さらに,学習規律(正しい姿勢や発表の仕方や話の聞き方)の確立を進める。

(2)学級活動や学年・学校行事等を通じて居場所づくり,絆づくりに務める。
 学校全体の特別活動(児童会活動や縦割班活動等),学級活動,学年・学校行事において,児童自身の主体的な活動を通して,お互いのよさを認め合ったり支え合い助け合う仲間(絆)づくりに努める。

(3)道徳の時間の充実を図り,豊かな人間性を育てる。
 いじめ問題は,他人を思いやる心や人権意識の低下から発生するものである。道徳教育において,工夫した資料や教材等を活用した道徳の時間の充実を図るとともに.学校教育全体を通して,思いやりや規範意識,人権意識等を高める教育を進め,豊かな人間性を育てる。

(4)地域の方や保護者への啓発に努める。
 学年・学校だよりやホームページ等を通して,児童の取組や活動の様子等を積極的に知らせ,開かれた学校づくりに努める。また,児童の地域行事への参加等(ボランティア活動等)や施設見学,福祉体験等の活動を通し,地域の方と交流を深め,人との関わりを学ぶ機会を設ける。

(2)いじめの早期発見
 いじめは,早期に発見することが,早期の解決につながる。早期発見のために,日頃から教職員と児童との信頼関係の構築に努めるとともに,全職員がアンテナを高くし,児童の小さな変化を敏感に感知し,いじめを見逃さない認識をもつとともに,認知能力を向上できるようにする。また,いじめに関わるすべての情報については,関係者のみでなく,全教職員の間で情報を共有し,保護者とも連携して情報を収集する。

(3)いじめの早期発見の手立て
(1)日々の観察
 日常の生活の中での児童に対する教職員の声かけや児童との何気ない会話を大切にする等,児童が日頃から気軽に相談できる環境をつくる。朝の時間や休み時間,放課後等には児童の様子に目を配り,『児童がいるところには,教職員がいる』ことを目指し,児童とともに過ごす機会を積極的に設け,児童の変化を把握できるように努める。

(2)教育相談
○ 児童が悩みやいじめ等について,いつでも相談できる体制づくりを行う。
○ 全校児童や保護者を対象に,心の教育相談員やスクールカウンセラー等との教育相談ができることを告知し,希望があれば相談を行う。

(3)児童の実態把握(いじめ実態調査アンケート)
 定期的(毎月月末)に,「生活実態アンケート(いじめ実態調査)」を実施する。実施方法は基本的に記名式で行うが,状況に応じて無記名や持ち帰り等にするなどの配慮をしながら対応する。

(4)保護者との信頼関係の構築
○ 日頃から児童のよいところや気になるところ等,学校の様子について連絡することを心掛ける。(家庭状況の背景を配慮しながら)また,保護者がいじめに気付いたときに,即座に学校へ連絡できるよう,保護者との信頼関係の構築と体制を整備する。
○ いじめ実態調査において,認知件数が0(ゼロ)であった場合は,学年・学校だより等で当該事実を児童と保護者に公表し,検証を仰ぐなど,認知漏れを確認する。

(4) いじめへの対応
 いじめの兆候を発見したときは,問題を軽視することなく,早期に適切な対応をする。いじめられている児童の苦痛を取り除くことを最優先に迅速な指導を行い,解決に向けて教職員が一人で抱え込まず,学年及び学校全体で組織的に対応する。また,いじめの再発防止のために,日常的に取り組む実践計画を立て,継続的に支援する。

(1)いじめ発見時の対応
 いじめを認知した教職員は,その時に,その場でいじめを制止するとともに,いじめに関わる関係者に適切な指導を行う。併せて,ただちに学級担任や学年主任,生徒指導主事に連絡し,管理職に報告する。また,正確な事実関係を把握するため,複数の教職員で対応することを原則とし,「いじめ問題対策委員会」の指示のもとに教職員間の連携と情報共有を随時行う。

(2)いじめが起きたときの対応
 「いじめ問題対策委員会」を中心に対応を決定し,以下の対応を迅速かつ組織的に行う。
○ いじめを受けた児童に対する支援並びにその保護者に対する情報提供及び支援。
○ いじめを行った児童に対する指導及び支援並びにその保護者に対する支援。
○ 全体の問題として,児童全体への指導。
○ いじめ問題が指導上困難である場合には,ひたちなか市教育委員会と連携を図り,指導主事や教育研究所(いじめ不登校相談センター)の相談員の派遣を要請する等,より適切な対策を講ずる。
○ インターネットを通して行われる不適切な書き込み等にについては,被害の拡大を防ぐため,直ちに削除等の措置を行い,必要に応じて警察のサイバー対策室やプロバイダー等関係機関の協力や援助を求める。
○ いじめを受けた児童が安心して教育を受けられるようにするため,必要な措置を講じる。
○ いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときには,ひたちなか市教育委員会と連携の上,学校と警察との連絡制度に基づき適切に対応する。

(3)いじめが起きた後の継続的な対応
○ いじめが解消されたと見られる場合でも,再発防止に向けて,引き続き十分な観察を行い,折に触れて必要な指導を継続的に行う。
○ いじめに関わる関係者に教育相談,日記,手紙などで積極的に関わり,その後の状況について把握に努める。
○ いじめの発生を契機として,事例を検証し,再発防止・未然防止のために日常的に取り組むことを洗い出し,実践計画を立て,いじめが起こらない学校・学級づくりへの取組を強化する。

(5) いじめの解消
 いじめは,単に謝罪をもって安易に「解消」とすることはできない。いじめが「解消」している状態とは,少なくとも次の2つの要件を満たしている必要がある。

(1)いじめを受けている児童に対する心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通して行われるものも含む)が止んでいる状態が相当期間継続していること。(相当期間とは3か月を目安とする。ただし,いじめの被害の重大性からこの期間を超えることにこだわらない)

(2)いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において,いじめを受けた児童が,いじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。(いじめを受けた本人及び保護者に面談等により確認)

4 重大事態への対応


(1)重大事態の定義(いじめ防止対策推進本法第28条)

 「重大事態」とは,いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命,心身または財産に重大な被害があると認める場合(いじめ防止対策推進法第28条第1項第1号)及びいじめにより学校に在籍する児童が相当の機関学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認める場合(いじめ対策推進法第28条第1項第1号)をいう。(「相当の期間」については,年間30日を目安とするが,いじめを受けた児童が一定期間連続して欠席しているような場合には,いじめ問題対策委員会の判断により,厳密に30日に至らない場合でも,重大事態として取り扱う。)
 「認める場合」の主体は,市教育委員会または学校であり,「いじめの存在」か「いじめとの因果関係」について,疑いがあれば重大事態として判断するものとする。
 ただし,いじめを受けた児童又は保護者からの申立ては,学校が知り得ない極めて重要情報であることから,調査をしないまま,いじめの重大事態ではないと断言することができない。

(1)重大事態が発生したときの対応
○ その旨をひたちなか市教育委員会に報告し,教育委員会の指導・支援のもと対応に当たる。
○ いじめを受けた児童及び保護者に対し,当該調査に係る必要な情報を適切に提供するものとし(法第28条第2項),提供に当たっては,他の児童等のプライバシ−保護に配慮する等適切な方法を用いる。

(2)関係機関への支援要請
 重大事態の対応において,ひたちなか市教育委員会と連携の上,必要に応じて専門機関や警察等,関係機関への通報を行い,支援を要請する。